しばらく(なんと八年間)忙しさに紛れて,また誰かが更新してくれることを期待して,さらに研究分野としてのHPは新作すると言うことで,放っておいたHPを自分用に改造更新しました.宮田先生を定年のあとですが,この8年で起きたことはいろいろあるけど,教員構成としては,佐々木栄一先生を東工大に送り出し,西尾真由子先生をお迎えし,さらに金恵英先生を助教でお迎えし,就任直後だったから1990より前だと思うけど使い続け,研究活動を支えてくれた風洞を今風に雨が降るとか,飛沫が飛ぶとか環境影響調査もできるように改造し,大きく変化しました.
国立大学改革推進経費プロジェクトの目玉として大学の研究室の先輩で昔からの畏友である藤野陽三先生をお迎えしたのは,特大のサプライズですよね.その仕組み自体は研究分野をそのまま来ていただくと言うことで,Dion先生も活躍していただいていますし,海外で活躍されている著名な研究者も来ていただいてエネルギーをいただいています.
とは言っても,2008年の改作の時に序文に書いた,私どもの研究分野では,橋に関する研究教育をしています.橋の動力学(振動の問題)が主対象で,強風,地震を考慮し,吊橋,斜張橋をはじめとする長大橋から日常的な橋梁までの安全性,モニタリングや維持管理技術による継続的なサービス提供が議論対象です.
と言うことはあまり変わらないのですが,モデル検証,シミュレーションや非線形解析が多くなりました.ABAQUSを使いはじめて久しくなりますし,市販のパッケージから始めたCFDもRANSでやったりOPENFORMをつかったLESも主力の研究テーマになっています.
内容それぞれはかなり専門的なので,必要があれば詳細は直接ご相談いただくとして,ここで我々の研究教育の様子が紹介でき,橋に関するご興味にこたえ,愛すべき橋を議論いただく,わずかな切っ掛けにでもなれば幸甚です.
ページ改作に当たって
2015年6月 山田 均
私どもは,新しい文化として橋をどう造るか,継続的な社会の発展に社会基盤資源をいかに維持していくかを研究しています.したがって,橋の文化史と言うより橋造りのイメージですので,あしからず.
よく聞かれるし,講演会で橋の話をするときにする話題は下の通りです.詳細はここです.
- 橋の意味
- 橋の歴史
- つり橋の歴史
- 橋の形式
- つり橋と強風
- 風による振動と風洞実験
- 橋の挙動とモニタリング
- 橋の振動と制振,制震,免震
- 風と地震の比較
- 橋を専門とするときに何を勉強したらいいか
- 耐風工学を専門とするときに何を勉強したらいいか
- 私がなぜ橋の研究を始めたか
- etc.
研究実績トピックスのご紹介
研究成果というか,我々の研究を概観するための項目としては,次のようになります.詳細はここです.
橋と風
- 風洞実験の基礎
- 対風挙動分析システム
- 統計的手法による台風挙動分析システム を用いた気候変化の影響
- 時間領域応答分析システム
- 乱流相似の合理化
- 空力的に優れたPE加工ケーブル
- 斜ケーブルの空力振動に関する検討
橋と振動
- 吊り形式橋梁限界スパンに関する研究
- 低周波騒音の効率的な現場対応法
- 維持管理,災害復旧のための橋梁モニタリング
- モニタリングのための高精度化モデリング分析手法開発
- モニタリングのためのセンサー技術開発
- 吊り形式橋梁の低コスト化
- 免震デバイスの開発,レイアウト研究
- 鋼材破壊メカニズムの合理的基準の提案
- 暴露環境による耐候性鋼腐食と強度の検討
研究関連トピックスのご紹介(詳細は別途公開)
鋼製橋梁モニタリングプロジェクト
西尾先生の活躍で妙高大橋のプロジェクトにお世話になっています.
計画橋梁の耐風性能検証
毎年いくつかの国内外の橋梁で相談を受け実施しています.ただここにかけないことが多いのが残念です .
国内の長大橋プロジェクトが落ち着いてきて,吊り形式プロジェクトが復活し始めていることは好ましいことです.一方で,グローバル化は進んでいて,日本企業が海外に出たときの海外プロジェクトの検討だけでなく,海外拠点の企業,研究所との共同プロジェクトもちらほら始まっています.